ARUNの投資先事業モニタリング

 

 

ARUNは、社会的投資のリターンには財務的なリターンと社会的なリターンとがあると考えます。 社会的投資を通じた成果がどのような形であがっているのかを把握し共有するため、ARUNは日々の投資先事業のモニタリングを通じて得られる情報をもとに、事業・財務・社会的インパクトの観点から投資先事業の評価を試みています。

 

 

(写真)ARUNの投資先「LES」利用者インタビュー中の光景
(参考)「投資先ソーシャルリターンstories」から 「利用者の声」「起業家の声

 

事業評価

 

社会的起業家が社会的ミッションを達成するために、どのような事業モデルを作り、どのような体制のもとで事業を遂行しているかを評価しています。評価項目には以下のような視点が含まれています。

 

社会的起業家のリーダーシップ

起業家が社会的ミッションの達成にどのようにコミットし、数歩先をいくビジョンを持って、事業を展開することができているのかを評価します。

 

健全なガバナンス

投資先の取締役会や監査役の設置など、ガバナンス体制を評価しています。

 

事業モデルの革新性・先進性

これまで解決が困難であった社会的な課題を、投資先の社会的事業がどのように新しい方法で解決しようとしているのかを評価します。 平坦ではない課題解決の道のりをどのように試行錯誤しながら進んでいくのか、その取り組みの過程をみていきます。また、先進的な手法を取り入れた事業は社会で注目を浴び、同じようなミッションの達成に取り組んでいる組織等に対してよい影響を与える波及効果も期待されます。

 

 

財務評価

 

ARUNでは「収益性」、「安定性(安全性)」、「成長性」、「財務諸表の信頼性」の4つの視点から投資先の財務評価を行っています。

財務評価の目的は、投資対象事業の持続可能性を評価することです。これはどんなに社会的意義のある事業であっても、持続可能性がなければ一時的な活動に終わるので、ARUNの投資先には適さないと考えているためです。

 

収益性

取引先や従業員に適正な支払いを行いつつ、借入金の元利金の支払いを行えるだけの利益を生み出しているかを評価指標とします。「金融費用負担後利益」に着目します。    

 

安定性(安全性)

借入金の元利金の支払いを予定通り行えるだけの営業キャッシュ・フローを確保できているかどうか(フローに着目)、事業規模に比べ過大に借入金が積み上がっていないか(ストックに着目)等の観点から、投資先の持続可能性を評価します。「営業キャッシュ・フロー」「負債比率」等に着目しま す。

 

成長性

事業規模の指標である売上高の成長を最も重要な基準として設定し、「売上高成長率」に着目します。社会的企業は、事業活動を 通じて生産者、従業員、地域社会等に社会的なインパクトをもたらしており、事業規模の拡大が社会的インパクトの規模を決定する重要な要因であると考えてい ます。

 

財務諸表の信頼性

投資先が、適時に必要な財務諸表を作成できるかどうかを評価します。ARUNの投資先には、基本的に月次での業績報告を求めています。

 

 

社会的インパクト評価

 

社会的インパクトとして最も重要視されるのは、投資先事業が掲げる社会的ミッションの達成度合いです。

例えば、ARUNの投資先の一つであるサハクレア・セダックの有機米事業では、有機米の生産・販売を通じて、小規模な有機米生産者の生活の質を向上させることが目指されています。この事例では、有機米事業が生産者の所得向上や生産者組合の形成にどのように影響を与えているのか、また農家一人ひとりの生活がどのように変化しているのかをモニタリングしています。

この他に、ARUNとして投資先事業に期待している社会的インパクトには、下記のようなものがあります。

 

雇用

投資先事業を通じてどれだけの雇用が生み出されているかを評価します。雇用の総数のみならず、従業員のスキル向上や社会的弱者の雇用創出など、雇用の質も重視しています。また、投資先事業における直接的な雇用のみならず、有機米生産者のように事業サプライチェーン全体を通じた雇用創出効果を評価します。

 

地域経済への影響

投資先事業の展開が同事業の拡大化にとどまらず、地域にある他の事業やコミュニティの人々にどのような影響を与えるかを評価します。

 

環境

投資先事業の実施・展開が、環境改善につながるものを評価します。