ARUN Newsletter No. 2を発行しました。

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このニュースレターでは、ARUNの活動や社会的投資について解説しています。
読者は、社会的投資に興味がある方や、カンボジアに興味がある方など様々です。
「途上国と私たちをつなぐ社会的投資」について一緒に考えていきましょう!

INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】ARUNについて -ARUNの特長(1)-

【2】「ソーシャル・ファイナンス」が生み出す新しい社会 第2回

【3】ARUNの現場から -パートナー紹介(2)-

【4】世界金融最前線 -第2回:4年ぶりのゼロ金利復活は基金に注目-

【5】編集後記

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【1】 ARUNについて -ARUNの特長(1)-

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このコーナーでは、ARUNについてまだあまりご存知でない方を対象に、その仕組みや特長
を解説していきます。

今回は、ARUNの特長をご紹介します。

ARUNは「社会的投資」を行っていますが、その投資対象を「現地で社会性の高い事業を
行っている中小企業」に絞っています。カンボジアにも、大企業から中小企業、そして個人や
家族経営の小規模ビジネスまで、様々なビジネスの担い手たちが存在しています。
そして、その中には、現地コミュニティの再生や、環境保全、雇用促進など、社会的な価値を
創り出すことに主眼をおいている事業が存在します。
しかし、このような事業を営む中小企業は、既存の金融機関から十分なサービスを受けられ
ないことが多々あります。

というのも、既存の商業金融機関にとっては、財務諸表も未整備で、物的担保も不十分な
中小企業は、モニタリングも難しく、手間とコストのかかる投資先です。そのため、銀行などの
商業金融機関は、担保として首都の土地を要求するなど、実際は大企業向けの融資しか
行っていません。

また、現在マイクロファイナンス投資が注目を集めていますが、これはマイクロファイナンス
機関を通じて個人事業向けの小口融資に対して支援を行うものです。ただし、一般にこれら
のサービスは金利が高く、また貸し出し上限が低い(数万円から数十万円が中心)ために、
マイクロ起業家が中小企業レベルに成長し、事業を拡大させていくような場合の資金需要を
満たすことが出来ません。

このようにカンボジアをはじめ多くの途上国では、社会性の高い事業を行っている中小企業が
あったとしても、その資金ニーズを満たす金融サービスが十分に整備されていないために、
活動の幅を拡大できないのが実態です。
実際に、ARUNが投資を行っている「Sahakreas CEDAC」という、カンボジアのNGOから独立
した企業も、過去に自然栽培米の流通事業において資金不足のために、予定していた半分
以下の米しか買い取ることが出来ないということがありました。

ARUNでは、このような社会性の高い事業を行っている中小企業に特化して社会的投資を
行うことで、現地の発展に貢献したいと考えています。

(つづく)

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【2】 「ソーシャル・ファイナンス」が生み出す新しい社会 第2回
 ディレクター 土谷和之
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さて、連載第1回目の最後で social impact = 社会的インパクトとは何か、という問題提起を
しました。読者のみなさんにも、もしかしたらそれぞれその意味を考えていただいていたかも
しれません。

私の考えでは、このsocial impactについて考えるにあたって、2つのアプローチがあります。

(1)
社会が抱えている問題(イシュー)を整理し、それを解決することが social impact であると
定義する

(2)
既存のファイナンスの仕組みでは支援できない企業や団体を支援することで、お金だけ
では図れない価値を生み出すことを social impact であると定義する

(1)は多くの方が考えるアプローチと思います。
貧困、気候変動、格差、生物多様性、、、などのさまざまなイシューをあげていって、
それらを解決するための事業や企業があり、そこに投融資することがソーシャルファイナンス
とする。とてもわかりやすいですよね。

ただ、(1)の欠点は、イシューを網羅的にあげることが難しいこと。世の中のすべての問題は
把握できないですし、一口に「貧困」問題といっても、先進国の問題か、途上国の問題か、また
その中でもどういったレベルの貧困か、、、など中身はとても多様です。

それに対して(2)のアプローチは、いささか概念的ですが、より包括的だと私は考えています。
なぜなら、社会的なイシューを解決するための事業の多くが、既存のファイナンスでは資金
供給できないものだからです。

このアプローチの詳細は次回の本コラムをお待ちください!

(つづく)

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【3】 ARUNの現場から -パートナー紹介(2)-
 広報チーム Oさん
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このコーナーでは、ARUNのメンバーや現場の活動をご紹介します。

第2回目は、今年の8月からパートナーに加わったOさんの紹介です。
前号メールマガジンで登場したHさんと異なり、Oさんはこれまで公的部門に所属し、国際
協力分野に関わってきました。ARUNの設立メンバーと以前から面識がありましたが、多様
化する先進国と被援助国を結ぶ活動のあり方(おカネの流れ)に関心があり、また、ARUNに
集まっているメンバーにも魅力を感じ、参加を考えました。
現在、ARUNでは日本側の業務を広く行う「国内業務チーム」でウェブやブログ管理や翻訳
の作業を担当しています。

(1)ARUNに参加した経緯を教えてください。

ARUNの設立メンバーと大学院でご一緒し、その縁で2010年のARUN設立シンポジウムの
際に声をかけて頂きました。大学院時代、キャンパスでは、ARUNの設立メンバーがそれ
まで長く関わってきたカンボジアへの想いや現在のARUNの構想について盛り上がっている
のを横で聞いていましたが、それが遂に始動したんだな、と思いました。

その時私は平和構築分野のプロジェクトのお手伝いをしていて、国の制度や枠組み作りに
平行して何をしたら社会に本当の信頼が生まれていくのだろうとずっと考えていました。
そんな折、ARUNの投資先であるCEDACの事業紹介の中で「人々が共同してビジネスを
する機会を創り、紛争で一旦失われてしまった社会の信頼関係を再構築にも貢献する」と
いう趣旨の説明を聞き、なるほどと感じました。こうした活動が成り立つのはごく限られた
状況なのかもしれませんが、そこに日本に住む一個人である自分も関わることができると
聞き、興味を持ちました。将来的により多くの人にそうした機会を開く参加型の投資プラット
フォームを、という展望にも共感を覚えました。

ARUNへの参加は自分への投資でもあります。この経験は自分の関心にも必ずプラスに
なると感じています。ARUNを通じ、多彩で面白い人たちに沢山出会えそうだと思ったこと
も、決め手となりました。

(2)現在のARUNでの活動と参加した感想を教えてください。

現在はウェブやブログ管理など広報関連の作業と、翻訳の担当をしています。10月からは
現地からの定期的な報告ツールとして「カンボジア・レポート」というニュースレターの発刊を
開始しました。まだ手探りの部分もありますが、他のメンバーや現地スタッフとのやりとりに
日々刺激を受けつつ、一歩ずつ進めています。

ARUN自体が走りながら創っているところもあるため、枠組みがないという大変さと、それ故
の面白さの両面があります。特に、それぞれに異なる強みや考え方、スタイルを持ったメン
バーが本業の合間を縫って作業をするので、コミュニケーションの大事さを日々感じます。
きちんとわかりやすく伝える、相方向のやりとりを大切にする、という当たり前のようなことの
ための工夫の中に多くを学んでいる気がします。

あとは、早く現地を一度訪問してみたいです。

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【4】 世界金融最前線 第2回:4年ぶりのゼロ金利復活は基金に注目-
 広報チーム
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第1回で「資金はジャブジャブだ」と言っている矢先に、さらにジャブジャブにするという政策が
発表された。それが10月5日に発表された「日銀4年ぶりのゼロ金利復活」である。

前回0.1%と書いた政策金利(銀行間の貸し借り金利)を最低0%まで引き下げると言うもの
であるが、どうだろう? 賢明な読者は金融機関の顧客である我々向けにですら既に無利息
(0%)貸出をうたう広告が氾濫する中、大騒ぎする程の話でもないと思ったのではないか。
私もその一人で注目すべきは同時に発表された「資産買い入れ基金」の設立だと思った。

基金は国債、株価指数連動型上場投資信託(簡単にいえば株)や不動産投資信託(簡単に
いえば不動産)などを購入することでデフレ(物価下落)を食い止めようという考えで作られた。
金利は0%よりも下に下げられないので資金の発行量を増やすことでさらにジャブジャブにし、
企業も個人もお金を使いたくないというなら基金で資産を買ってしまおうという大胆なものだ。
ニュースを好感し発表直後は株価も不動産投信も値が上昇した。日銀おそるべしである。

しかし日銀や政府が戦う日本のデフレ圧力は、とてつもなく強い。一例をあげれば日本の
平均世帯収入500万円に対し世界の平均世帯収入は30万円に過ぎない。

これからも世界はグローバル化により一物一価(同じものは同じ値段)への道をたどることを
考えると日本の平均世帯収入は、まだまだ下がる余地がありそうだ。それでも政府・日銀は
デフレに勝てるのだろうか。そして国内で需要なく寝ている資金を世界の為にどう使えるのか。
次回は世界に流れ出る日本の資金に注目し、ARUNの存在意義も確認していこう。

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【5】 編集後記
 広報チーム
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第2回目のARUNのニュースレターいかがでしたか。
皆さんからのご意見・ご質問をもとに、もっとよい情報を発信していきたいと思います。
ぜひ、ご意見・ご感想お寄せください。

また、ARUNでは10月に出資説明会を開催いたします。
皆様のご参加お待ちしております。

■ 【第3回出資説明会】
2010年10月23日(土)19:00~21:00 (受付開始:18:45)
ちよだプラットフォームスクウェア 503号室 東京都千代田区神田錦町3-21
※説明会終了後、近くのお店で懇親会を行いますので、ご都合つきます方はぜひおいでください。

https://spreadsheets.google.com/viewform?formkey=dFI1bTZRSkpJSlEya2hXdHk0SXRVTlE6MA

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ARUN Newsletter No.2
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【発行】  ARUN合同会社(ARUN,LLC.)
【編集】  広報チーム
【WEB】  www.arunllc.com
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