ARUN Newsletter No.3を発行しました。

arjuni 036

このニュースレターでは、ARUNの活動や社会的投資について解説しています。
読者は、社会的投資に興味がある方や、カンボジアに興味がある方など様々です。
「途上国と私たちをつなぐ社会的投資」について一緒に考えていきましょう!

INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】ARUNについて -ARUNの特長(2)-

【2】「ソーシャル・ファイナンス」が生み出す新しい社会 第3回

【3】ARUNの現場から -パートナー紹介(3)-

【4】世界金融最前線 -第3回:新興国に集まる資金-

【5】編集後記

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【1】 ARUNについて -ARUNの特長(2)-

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このコーナーでは、ARUNについてまだあまりご存知でない方を対象に、その仕組みや特長
を解説していきます。

前回は、ARUNの投資対象が、途上国で社会性の高い事業を営んでいる中小企業に絞られ
ている点をご説明しました。今回は、投資の基準についてご説明します。

ARUNでは、「寄付」ではなく「投資」によって、発展途上国の自立を促進したいと考えていま
す。そのために、投資先を「事業性の観点」から評価し、投資をする側・受ける側の双方に利
益をもたらす「WIN-WINの関係」が継続的に成り立つかを見極めています。
具体的には、投資先のビジネスモデルや財務状況、ガバナンスの実態、さらには中心人物の
リーダーシップ等を調査し、期待できるリターンを見極めます。

それに加えて、ARUNでは「社会性の観点」でも投資先を評価しています。
具体的には、雇用創出や地域コミュニティに対するその他の貢献の度合い、起業家の社会的
価値創出に対するコミットメントの度合い等を確認し、ARUNが投資を行うことで地域社会の発
展にどこまで貢献できるのかを見極めます。

例えば、ARUNの最初の投資先であるSahakreas CEDACでは、自然栽培米の流通事業を
行っていますが、プノンペンにある直営の販売店では地方出身の大学生を積極的に採用して
います。これは、現金収入の少ない人々に雇用の機会を提供するだけではなく、地方出身の
人々にビジネスや技術を学ぶ機会を提供することで、長期的には地域間の格差を解消するこ
とにも貢献しています。ARUNでは、このような地域社会にもたらす社会的なインパクトも評価
し、投資の判断や投資後のモニタリングを行っています。

ただし、社会性の観点での評価については課題もあります。
投資案件毎に社会的インパクトの内容が異なるため、すべてのケースに当てはまるような
一律の基準を作ればよいというわけではありません。また、すべての影響を定量的に計るこ
とは難しく、そもそも定量化することにどこまで意味があるのかという問題もあります。

しかし、ひとつ言えることは、このような社会性の観点で評価することによって、単純に「ビジネ
スとして成り立たないから投資をしない」で終わるのではなく、彼・彼女らの「社会を良くしたい」
という想いを実現するために、投資する側として何ができるのかを考えることになり、それを
もとに投資先と議論し、お互いがやるべきことを確認、実行していくことになります。

このような対話を何度も繰り返し、投資する側、受ける側の双方を少しずつよい方向に変えて
いくことが、途上国と私たちをつなぐ社会的投資の特徴である考えています。

(つづく)

※上記はあくまでもARUNの事例です。社会的投資についての基本的な考え方や具体的な
事例については、ディレクター土谷の記事もぜひご覧ください。

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【2】 「ソーシャル・ファイナンス」が生み出す新しい社会 第3回
ディレクター 土谷和之
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連載第2回では、ソーシャルファイナンスの定義として「既存のファイナンスの仕組みでは
支援できない企業や団体を支援することで、お金だけでは図れない価値を生み出すことを
social impact であると定義する」ことがより包括的である、と述べました。
その理由は何なのでしょうか、、、、?

それは、社会的なイシューというもののほとんどが、現在の資本主義の経済の仕組みから
こぼれ落ちてしまったものから生まれている、ためなのです。

もっと具体的にいうと、たとえば前回あげた貧困や気候変動といった問題も、資本主義経済
の枠組みの中では、なかなか解決できない問題ですよね。それは、ある企業がこうした問題
を解決するための事業をなんらか始めたとしても、対価を得て収益を上げることが困難だか
らです。

一方、こうした社会的問題は行政が公的支援により解決するべき、、、とも考えられますが、
世界的な財政難に加えて、「情報の非対称性」、すなわち行政がこうした社会的問題を解決
するための事業を見極めて支援することが困難ということもあり、行政だけでは問題は解決
できません。

そこで、ある意味、資本主義経済と公的な支援の「あいのこ」である、ソーシャルファイナンス
の出番となります。その事業が一定の収益を上げながら継続できるか、をファイナンスの仕
組みを活用しながら見極め、一方でその事業の社会的なインパクトも考慮して資金供給する
ことで、通常のファイナンス=資本主義の仕組みではこぼれ落ちてしまう(資金供給されない)
事業を拾い上げる。拾い上げた事業に継続的に資金供給することで、長期的な視野で問題
解決に貢献する。、これがソーシャルファイナンスの1つの真髄かな、、、と考えています。
こう考えると、イシューを特に列挙しなくても、ファイナンスの新しいあり方としてのソーシャル
ファイナンスを定義できるのでは、と思います。

では、こうしたソーシャルファイナンスを実践するには、具体的にどんな考え方でファイナンス
をしていけばよいのでしょうか、、、僕はそのキーワードの1つが、アメリカのソーシャルファイ
ナンス機関であるアキュメンファンドが提唱する「忍耐強い資本(patient capital)」という言葉
と考えています。

この言葉を中心に、具体的なソーシャルファイナンスの実践方法を次回考えていきましょう!

(つづく)

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【3】 ARUNの現場から -パートナー紹介(3)-
投資チーム Mさん
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このコーナーでは、ARUNのメンバーや現場の活動をご紹介します。

第3回目は、今年の8月からパートナーに加わったMさんの紹介です。
会計事務所で会計士として働くMさんは、その専門性を活かし、ARUNでは「投資チーム」で
投資先候補の調査やモニタリングを行っています。

1)ARUNに参加した経緯を教えてください。

2008年に起きたリーマンショックによる金融危機で、僕らは「今までの考えや行動が成り立た
なくなってきているよ。」というメッセージを受け取った気がします。そんな中、2010年に入って、
ソーシャルファイナンス(社会的投資)について情報収集を始めました。ソーシャルファイナンス
というキーワードでインターネットや本などの情報を集めたり、いくつかのイベントや勉強会に
出席する中で、ARUNと出会いました。

ARUNの勉強会に出席したときに、その新しい取り組みに共感し、代表の功能さんを始めとす
る関係者の熱意や優秀さに惹かれました。また、会計士としての専門知識が少しでも生かせ
るかもしれないと考え、思い切って2010年の夏から参加し始めました。

2)現在のARUNでの活動と参加した感想を教えてください。

ARUNの出資者はいくつかのチームに分かれて活動していますが、私は投資チームで活動
しています。投資チームは主に担当ディレクターの他、数名のパートナーとカンボジア事務所
のスタッフで構成され、投資候補先の調査やモニタリングを行っています。
2010年秋の時点でSahakreas CEDACにのみ投資を行っていますが、現在、リストアップした
数十件の投資検討先から絞り込みを行い、数件の投資先を検討している段階です。検討は、
主に月2回から3回の投資チーム会議、投資検討先とのメール、Skypeによる質問や資料依頼
を通じて行っています。(12月には何人かのディレクター、パートナーでカンボジアを訪問しよう
と考えています)

そのような活動の中、未だ決まった形のない社会性の評価基準の策定、投資先のモニタリング
体制の整備、出資者の多くがパートタイマーとしてARUNの活動をしているためのリソース不足
といくつかの課題を抱えています。

ただ、それは新しい活動に挑戦していることのあらわれのひとつですし、出資者それぞれが培っ
た専門性や経験を同じビジョンで紡ぎ直すことは、刺激的な取り組みだと感じています。また、
ARUNの活動を通して投資先の事業拡大、雇用、職業能力向上の機会を提供することができ、
さらに同じビジョンを共有したパートナー間、パートナーと投資先との新しいつながり、コミュニ
ティを生み出してくれるものと実感しています。

この先、ARUNの活動を積み重ねて、よいつながり、コミュニティが広がっていくことを想像する
ととても楽しみです。

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【4】 世界金融最前線 第3回:新興国に集まる資金
広報チーム
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最近「QE2」という言葉が新聞に時々出ているのにお気づきだろうか。

リーマンショック後、日本だけでなく米国でも資金をジャブ ジャブにするという政策がとられて
いて、2008年12月に行われた第1弾に続き今月行われる第2弾の略称として使われていた。
Quantative Easing、量的緩和の第2弾ということである。

3日にQE2の一環として国債60億ドルの追加購入が発表されると、金や原油といったモノの
価格があがり株価もあがった。しかし、リーマンショックの発端となった住宅価格は相変わら
ず下げ止まるのが精いっぱい。米国でも当分住宅にお金が戻る時代は来そうにない。

それではARUN読者に関心高い新興国はどうなのだろう。
実は、資金があまりにも大量に流れていて、ブラジルやインドでは株価が過去最高水準に
達している。

アジアの株式市場では、株式の新規公開(IPO)も順調で、今や世界のIPOの半分以上は
アジアといわれるほどだ。8月にはインドの株式市場で、貧困層向け少額融資を手掛ける
金融機関SKSマイクロファイナンスが上場し約300億円を資金調達した。

しかしこの資金流入の勢いはあまりにも急すぎて嫌がる国も 出てきた。
タイやブラジルが外国人の金融取引などに課税する方針を表明している。次回は、量だけ
でなく質が問われるようになってきた新興国 資金需要の背景を見ていきたい。

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【5】 編集後記
広報チーム
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第3回目のARUNのニュースレターいかがでしたか。
皆さんからのご意見・ご質問をもとに、もっとよい情報を発信していきたいと思います。
ぜひ、ご意見・ご感想お寄せください。

また、ARUNでは社会的投資に関するシンポジウムを開催する予定です。
12月3日(金)にカンボジアのプノンペンで、年明けの1月にはARUN設立1周年記念をかねて、
日本でも開催する予定です。こちらの様子もお伝えしていきますので、ご期待ください!

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ARUN Newsletter No.3
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【発行】  ARUN合同会社(ARUN,LLC.)
【編集】  広報チーム
【WEB】  www.arunllc.com
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