ARUN Newsletter No.6 2011年8月号を発行しました。

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 このニュースレターでは、ARUNの活動や社会的投資について解説しています。

読者は、社会的投資に興味がある方や、カンボジアに興味がある方など様々です。

「途上国と私たちをつなぐ社会的投資」について一緒に考えていきましょう!

ARUN Newsletter No.6 2011年8月号 (8月14日発行)

=サハクレアセダック、センホン代表来日特集=

INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<1> 巻頭言    代表 功能聡子

<2> 【特集1】センホンさん来日記念勉強会   パートナー 矢島伸浩

<3> 【特集2】センホンさんの食品産業見学記  パートナー 高津智也

<4> 今後の予定

<5> 編集後記

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<1> 巻頭言   代表 功能聡子

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いつもARUNを応援いただき、ありがとうございます。

 ARUNは2009年にSocial Investment Fund for Cambodiaとしてスタート。

日本発のグローバルな社会的投資プラットフォームの構築を目指しています。

 現在は、カンボジアの社会起業家への投資を行っています。先月は、投資先の

サハクレアセダックから代表のセンホン氏が来日しました。一週間の滞在期間中

多くの方にお世話になりましたこと、御礼申し上げます。

 今日は、サハクレアセダック成り立ちの背景とセンホン氏について

書いてみたいと思います。

 内戦が終わりを迎えた1990年代、多くのカンボジア人が欧米から帰国し、

カンボジア再建のために活動を始めました。ARUNの投資先、サハクレアセダックの

母体であるNGOセダックも、ドイツから帰国したコマ博士を中心に、ヨーロッパで

高等教育を受けたカンボジア人7人が1997年に設立したNGOです。

設立されたばかりの無名のセダックに、大学卒業後飛び込んだのがセンホン氏。

王立農業大学で教鞭をとっていたコマ博士と出会い、「カンボジア社会を自分

たちの手でよくしたい」というビジョンに共鳴して参画したといいます。

 NGOセダックには、その後多くの大卒の若者が参画して活動規模を広げ、

カンボジアの全村落の約25%でプロジェクトを実施。センホン氏は農村開発部門の

プログラムディレクターとして活躍しましたが、従来型のアプローチでは

援助依存から抜け出せないと考え、2009年にビジネス部門をサハクレアセダック

として法人化。新しいアプローチでは、自給自足の農家や小規模生産者の意識を

起業家へと変えていくことが重要、とセンホン氏は語ります。

 センホン氏が滞在中に日本で強く印象づけられたことは‘クリーン‘。

ARUNパートナーRさんのプラスチック工場を見学した際には、製造現場の

無駄のない動き、整理整頓された倉庫、ちりひとつない工場に大感激。

「毎朝30分、社長を筆頭に全社員が清掃を励行」という話に早速取り入れたい

と意気込んでいました。

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<2>【特集1】センホンさん来日記念勉強会  パートナー 矢島伸浩

        (JICA地球ひろば協賛)

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 7月29日(金)19:00-21:00の勉強会は4部構成で実施された。

まず、ARUNの投資活動の概要紹介が行われ、続いてカンボジアの農業や食品産業に

精通したパートナー(出資者)の1人である丸山純一氏から、それらの現状に

ついての報告がなされた。

 そして、ARUNの投資先で、カンボジアの農業や農村開発に取り組む現地NGO

からスピン・アウトして設立された、ソーシャル・エンタープライズ(社会的企業)

であるサハクレアセダックのディレクター(代表)のラン・センホン氏本人から、

現地の零細・小規模生産者との連携による農産物の加工、流通、販売等の

現在までの事業展開状況並びに今後の課題・目標が発表された。最後に、

登壇者3名により、投資の実践側と受け手側との双方向での情報交換、理念や

目標の確認・共有という観点から、ディスカッションが行われた。

 会場は熱気にあふれ、登壇者の言葉を一言も漏らさずに聞き、その表情や

ジェスチャーまでもすべて見逃すまいと、参加者は皆耳をそばだて、目を凝らし、

真剣にメモを取っていた。まさにその様子は、昨今、日本でも社会的投資に

対する関心と機運が高まりつつあることを、肌で実感することができるもので

あった。

 カンボジアの農業を含めた経済発展には、生産段階における灌漑設備の充実や

流通段階における道路網や橋梁の整備など、インフラ関連の課題が数多くある。

しかしながら、これらには莫大な資金が必要であり、われわれARUNの投資案件と

しては、その身の丈を超えたものである。勉強会における一連の報告や発表、

ディスカッションを聞いていて、われわれARUNは、投資先としてのターゲットを

より川上の生産者に絞ったセグメンテーションを明確に行い、現地の零細・小規模

農家の組織化や生産物の高付加価値化等に関するソリューション型の知恵を

付加した形での投資を基本戦略とするのが適切ではないかという印象を受けた。

 投資先の代表者であるラン・センホン氏の口からも聞かれた「サハクレア

セダックの永続性を担保するためには、寄付者や投資者からの資金を零細・小規模

農家に単に機械的に資金提供する従来型のモデルではなく、生産物や生産技術、

品質管理に関する情報交換や責任分担を明確にし、相互に改善を目指すことが

重要であり、その共通認識の徹底化に努めていく」という言葉に頼もしさを感じる

とともに、上述のARUNの投資の基本戦略に関する私自身の認識に対する確信を

強めることができた。

 現在、ARUNのパートナーは約50名で、その規模の拡大が期待されている。

19:00からの勉強会に出席するためには、オフィスを18:00過ぎに出なくては

ならないことになる。社会的投資の意義を啓蒙することは重要なことであり、

活動の初期段階では不可欠なものである。しかしながら、実際に投資してくれる

人を獲得するには、そういった人たちの参加しやすい曜日や時間帯に勉強会を

するのも一考の価値がありそうである。社会的投資には、その性格上、理念に

共鳴し共通認識を共有できる、まさに「パートナー」たる人の出資参加が大前提と

なり、単に投資資金を多く保有していれば良いというものではない。

このあたりが、「社会的」という言葉を冠にした事業における「公共性」と

「収益性」のデリケートなバランスをとる難しさなのであろう。

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<3>【特集2】センホンさん食品産業見学記 パートナー 高津智也

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 びっしりだったセンホンさんの来日スケジュール、醤油、煎餅、酒蔵と

日本の食品産業の最前線に触れることでセンホンさんは何を感じたのでしょうか。

同行したパートナーによる報告です。

『キッコーマン工場見学編』

 カンボジアにある生産工場に対して何かアドバイスできるような部分を探す

ため工場見学をしたいとの要望を受け醤油のメーカーで世界的にも有名なキッコー

マンの工場に見学しに行きました。場所は、 千葉県野田市にある野田工場です。

早朝でも、週末で夏休みであるためか家族連れが多く賑やかでした。日本のような

醤油はカンボジアにはありませんが、醤油に類似する醸造調味料はあるようです。

 最寄り駅(東武野田線野田市駅)で降りたらすぐに醤油の香りを感じて、工場

見学の集合場所(もの知りしょうゆ館)までいきました。始めは醤油ができるまでの

ビデオを見て、それから実際の工場の中を見ることになりました。あいにく週末で

あったため製造ラインは止まっていましたが、それぞれの工程ではどのような事を

しているのかはビデオや説明文などで解説がされてきました。

 その後は、わくわくしょうゆ体験コーナー【まめカフェ】にて、醤油の

味比べをしたりせんべい焼きの体験をしたりと、醤油の味そのものを味わえる

体験をしました。工場見学したことにより、衛生面や作り方などの参考になったの

ではないかと思います。

『草加せんべい編』

 商談や現場見学に多忙なセンホンさんに一息ついてもらうため草加市(埼玉県)

のせんべい屋さんを訪れました。「日本からの一番のお土産は、せんべい」が、

センホンさんの口癖です。

 乾いた食感と適度な塩っ気が、カンボジアの気候に合っているのでしょう。また、

お米が原料なのも、有機米を扱う起業家の関心を煽る一因なのかもしれません。

折角なので、本物のせんべいに触れてもらいたい。そんな想いから、明治時代から

の伝統を継ぐ老舗店に伺い、なんとお米の生地からせんべいの手焼きを体験させて

いただきました。

 作業中のセンホンさんの表情は真剣そのもの。自作の焼きたてを満足そうに食べて

いました。手焼き体験後、せんべいの製造設備を見学させていただきました。

原料のサンプルを頂いたり、機械の値段を質問したり、こちらの方も相当楽しんで

もらえたようです。

 その後は、お土産のせんべいを買い、同じく現地の名産品のウナギを食べました。

リフレッシュをして体力を回復させたセンホンさんは、日本の包装技術を勉強すべく

Rさんのパッケージ工場へと向かいました。

『 小澤酒造、酒蔵編』

 東京にある「澤及澤乃井」醸造で有名な小澤酒造を訪問。日本酒に関する基本的な

ところから澤乃井のお酒が出来るまでの工程や蔵に関するお話、それからは蔵内の

見学に参加しました。サハクレアセダックでは米焼酎(Rice Wine)を販売しており、

製造している工場に対してアドバイスや何か新しい手法や製品などのヒントになる

部分があればと思い見学しました。

 そのため本来は米焼酎を作っている場所の見学をしたかったのですがなかなか

希望先を見つけることができず、作るときのコンセプトや心得を見ていただくだけ

でもと思い日本酒を作っている蔵となりました。見学中には工程や何が重要なのかを

実際に日本酒を作っている人たちと短い時間ですが話すことができました。

 見学後、場所を移動して数杯の利き酒を。カウンターの方に、大きく味が違うのを

選んで頂き、センホンさんにその違いを飲んで頂きました。同じ原料でも、

作り方や行程を変えることによりどれほど味が変わるかを感じてもらいました。

 昼食は、近場で豆腐料理を中心とした場所で食べました。大豆でどれほど

豊かな食材が作れるかを知ることができ、センホンさんだけでなく私も感動し

ました。

 この後は、ARUNのメンバーと日本最後の食事会をしました。店は焼酎を多く

扱っている所を選び、色々な米焼酎を試してもらい、今後の製品作りのヒントを

得たのではないかと感じました。

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<4> 今後の予定

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今月のARUN勉強会は、都合によりお休みします。来月の予定は以下の通りです。

9月30日(金)

  ARUN月例勉強会

  「社会的投資による投資先事業のバリューアップ(仮)」

  場所:ちよだプラットフォームスクウェア 千代田区神田錦町3-21(仮)

       http://yamori.jp/

  時間:19:00-21:00 (仮)

また

11月25日(金)にはカンボジアでシンポジウムを予定しています。

ぜひこの機会にカンボジアにお越しください。詳細は追ってお知らせします。

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<5> 編集後記  功能聡子

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 センホンさん特集いかがでしたか。一見テディベアのような優しい風貌の

センホンさんですが、自身がNGOスタッフから起業家へと転身する醍醐味と難しさを

感じているからこそ農民にも挑戦し続けることができるのでしょう。

 ARUNも起業家のチャレンジにしっかり伴走していけるよう力をつけていきたい

と思います。今後共応援よろしくお願いいたします。

 特別編成のため「投資先は今!」はお休みしました。

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ARUN Newsletter No.6 2011年8月号 (8月14日発行)

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【発行】  ARUN合同会社(ARUN,LLC.)

【編集】  広報チーム

【WEB】  www.arunllc.com

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