【イベントレポート】NPO法人ARUN Seed設立記念セミナー

ARUN Seed

7月15日におこなわれたNPO法人ARUN Seed設立記念セミナー「世界で進む社会貢献の新しいかたち~企業のCSRが変わる、国の援助が変わる」のレポートをお送りします。

第1部■ARUN Seedのビジョンと活動プラン

ARUN Seed代表理事の功能聡子より、まずはNPO法人設立の背景として社会貢献の新しい形としての社会的投資に注目が集まる現状について、お話いたしました。
JPモルガンとGIIN(Global Impact Investing network)が共同で著した最新レポートを引きながら「社会的投資のプレイヤーのうち、54%はマーケットレートの経済的リターンが投資には必要と考えているが、その半分はマーケットレート以下でも考慮する、と回答している。46%の『マーケットレート以下のリターンでも投資を検討する』と回答している層とあわせて、マーケットリターンだけに固執しない投資家が増えているのではないか」という概況の紹介や「今後の投資先としてはマイクロファイナンスだけでなく、農業・保健事業への投資が活性化する予測があること」、さらにそのような社会的投資の動機には
・顧客要請があること
・社会的課題を効率的に解決できるから
という2点以上に
・責任ある投資家としての使命
が強く働いている、というトピックに参加者の関心が集まっていました。

第2部■プレゼンテーション・セッション

「新興国から生まれるイノベーション」
「CSRの新しい潮流と社会的投資への期待」
「世界のソーシャルファイナンスの潮流と日本」
と、三者三様の切り口で各15分のプレゼンテーションがおこなわれました。

トップバッターはARUN Seed理事でもある、一橋大学イノベーション研究センター教授米倉誠一郎氏。50年前、繊維産業に携わっている南アフリカのビジネスマンが豊田自動織機の噂を聞きつけて……というエピソードで幕を開けると、米国NPOコペルニクが途上国に届けているテクノロジーのQドラムやソーラーランタンの話、そしてそれらは必ずしも途上国限定のエピソードではない、そもそもソーシャル・ビジネスとソーシャル・イノベーションは。など、話題は縦横無尽に駆け巡り、続いて登壇した一般社団法人CSOネットワーク事務局長・理事の黒田かをり様も思わず「米倉先生の後にお話させていただくのは大変で……」と苦笑されるほどでした。

 その黒田様のお話も「企業の社会的な活動は株主利益の最大化に反する」というかつて常識とされた考え方は、公共の利益と企業の利益の重なる部分が増加し、いまや持続可能な社会なしに自社の繁栄はない、と変化している、というイントロダクションから一気に参加者の(とくに企業CSRご担当各位の)心をつかみました。

そして、社会的投資が拡大すると社会と企業、NPOのあり方にもポジティブな影響をもたらすこと、それだけに社会的投資はもっと広めていく必要があるということ、また、社会的価値を評価する手法は、世界的にもまだ発展途上なので継続した開発が必要。という結論には、まさにARUN Seedの活動領域の話として、一同身が引き締まる思いで耳を傾けておりました。

3番目のプレゼンターはARUNパートナーでもある三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社ソーシャルエコノミー研究センター副主任研究員、水谷衣里様。「世界のソーシャルファイナンスの潮流と日本」というトピックでお話をいただきました。
トリオドス銀行(オランダ)、コーポラティブ銀行(英国)、CDFI(米国)などの事例を挙げながら、ソーシャルファイナンスの「ソーシャル」とは何か、なぜ今ソーシャルファイナンスが求められているのか、など、未来も見据えたお話は、プレゼンテーション・セッションのしめくくりにふさわしいものとなりました。

第3部■ARUN Seed活動紹介

第1部ではARUN Seedの活動コンセプトを代表理事からお話したため、プレゼンテーション・セッションに続く第3部では、具体的な活動内容をARUN Seed会員の長沼明子より、ご紹介しました。
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ARUN Seedの前身団体である一般社団法人ARUN LabがNPO化した経緯。
社会的投資家のプレイヤーを世界からお招きする国際イベントを企画中であること。
また、「ソーシャル『インベストメント?』スクール」の名称で開催を続けている、社会的投資の知識向上を目指す企画については、今後ふたつの方向性を新設する予定であること、など。

そして最後に、ARUN Seed活動の中核を担う学生メンバーを代表して中島祥が、ARUN Labの会員として「ソーシャルビジネスコンペティション」に参加したときに学んだ体験を披露させていただきました。
何が社会問題なのかを自分たちで考え、解決方法やアプローチに頭を使うことで「誰かがやってくれるのでは」と期待するのではなく、自分が当事者になることの大切さを学んだ。だから今度は自分のインプットをアウトプットに変えて、伝えていきたい、という表明に参加者から温かい拍手をいただきました。

 

以降は懇親会として、参加者と登壇者、社会人と学生、などの垣根を越えた交流の場となりました。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

今回はご参加いただけなかったみなさまも、ぜひ次の機会にお目にかかれることを楽しみにしております。今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

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なお、NPO法人ARUN Seedへのご寄付、サポーター会員としてのご参加につきましてはこちらよりご連絡いただければ幸いです。


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