火花が散った! ビジネスコンペティション

bizcon3

シリーズでお伝えしてきた
カンボジアシンポジウムも、いよいよ最終回だ。
今回は、11月22日~25日午前にかけて開催された
ビジネスコンペティションのアイデアを
シェアしたい。
日本とカンボジアの学生合計18人で6チーム(各3名)が結成され
アイデア合戦が繰り広げられた。
22-23日にかけ都市部・農村部をそれぞれ舞台に展開する社会的企業2件へのインタビューと
農村部の訪問を行った後、たった24時間でビジネスアイディアをまとめ(24日)
25日の発表会でアイディアを競い合うというもの。
学生たちは、今、どんなビジネスが必要だと考えたのか。
振り返ってみたい。
New Day Association
彼らが取り上げた問題は「教育」。カンボジアでは大学に
進学できる学生はほんの一握り。そしてその一握りでさえ、
多くが在学途中で学費の支払いが困難になり退学を余儀なくされる。
カンボジア人学生との議論を重ねたからこそ生まれてくる問題意識だろう。
そこで彼らが掲げたアイデアがNew Day Associationという奨学金事業だ。
就学困難者への奨学金や雇用に向けたトレーニング等を実施する。
ビジネスとしては収益モデルの確立が難しいとの指摘はあるものの、
現地視点の問題意識が色濃く反映されていたビジネスアイデアであった。
Super Green Store
カンボジアの農家では依然として大量の化学肥料が使われ、
周辺住民の健康を害している。ここに問題意識を見出したのが
Super Green Storeだ。
彼らのビジネスは有機栽培によって作られた食材を加工、
調理前の材料の状態で宅配販売するというビジネスだ。
有機栽培を行っている農家や社会的企業から食材を調達する方向で、
ARUNの投資先でもあるCEDACとの連携も想定した。
有機栽培による農家の健康状態の向上だけでなく、
消費者により安全な製品を届けたいという思いも込められていた。
Tomorrow Dream
「この写真の子供達はいくつだと思いますか??」
そう審査員に聞いたのはTomorrow Dreamのメンバーだ。
写真を見た審査員達は子供達の実年齢より3,4歳若い年齢を答えた。
そこにTomorrow Dreamの問題意識がある。
農家コミュニティを訪問した際に、元気な子供達の姿とは裏腹に、
その栄養状況に目を向けられずにはいられなかった。
彼らはカンボジアで広く使われている、塩、パームシュガー、
調味ソースに必要な栄養素を添加した「Plus」という製品の販売を目指した。
普段使われている調味料を少し変えるだけでも大きな変化につながる、
そうした思いが感じられた。
HELP Centre
Happiness, Empowerment, Leadership, Productivityの頭文字を
とったHELP Centreは他のアイデアとは違った色彩を放っていた。
彼らが焦点を当てたのはカンボジアの人々の精神面での問題だ。
現地の学生と議論を重ねた結果、依然として多くの人々が受け身の姿勢、
仕事へのモチベーションの低さ、クリエイティビティの欠如、
無責任さといった負の要素を持っているのではないかと考えた。
彼らは、HELP Centreを通じて、こうした問題の改善につながる
教育サービスの提供を掲げた。富裕層と低所得層で料金設定を変えると
いった相互補助のモデルを採用するなどの工夫も印象的であった。
Agricultural Media
カンボジアは農業従事者が人口の多くを占める国だ。しかし、
まだそのポテンシャルを充分に発揮できてはいない。そこに問題意識を
持ったのはAgricultural Mediaだ。彼らは農家に特化したメディアを立ち
上げることで、農家の生産性向上と収入増を目指した。新聞やウェブサイト
ラジオといったメディアを通じて、市場の動向、新しい農業方法、
取引先候補などの情報を発信していく。マイクロファイナンス機関などとの
パートナーシップを通じてメディアの拡大、情報収集の補完といった
工夫も見られた。
CHEF
激戦の中、優勝したのはCHEF、Cambodian Health and Educational Foodだ。
大学などの教育機関で健康に配慮した食事を提供するというシンプルなビジネスだ。
しかし、その問題意識、解決への道、ビジネスモデルの明確さが際立った。
カンボジアの学生の間では「高いものが健康」というイメージが先行し、
先進国で問題視されているファストフードなどが健康志向で買われるという。
彼らは健康食品を大学の学食などを通じて販売するだけでなく、
啓発活動を盛り込むなどして「教育」という要素を強調した点も特徴だ。
単に市場の需要に応えるのではなく、そこにある社会的課題からビジネス
アイデアを展開している点が高く評価された。
CHEFはビジコン最終日に開催された、ARUNシンポジウムの中で
100人以上の聴衆の前でプレゼンをした。
また、カンボジア人学生2名には、カンボジア日本人材開発センター(CJCC)から
優勝賞品として、来年度同センターで開講される起業家育成コースの
受講資格が与えられた。
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