社会的投資と経営指導の両輪が重要

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今日は10月末に開催された勉強会の紹介です。
先日ご紹介した
ARUN LABの高崎裕子さんによる報告です。
今回の勉強会では、ARUNパートナー兼プラネット
ファイナンスジャパン
のプログラム・マネージャーである
広瀬大地氏に講師としてお話いただき、
主にマイクロファイナンス機関の現状や経営能力を
強化させる手法について学びました。
マイクロファイナンスは1980年代から始まり
比較的歴史があるため関心を持つ方が多いのか
予想以上にたくさんの方に集まっていただき
お借りした部屋が狭く感じるほどでした。

ARUN自身はマイクロファイナンス機関ではありませんが
同じ社会的投資機関として参考になる部分も多かったです。
今回は広瀬さんのお話の中でも特に興味深く感じた
投資先組織の経営能力強化についてお話します。
組織の経営能力を強化するためには、
商品開発・人材育成・経営戦略の3つの支援が必要になります。
たとえば、ある農産物を商品として出荷し販売する際
そのサプライチェーンの中にはさまざまな無駄が存在します。
これらの無駄を全行程の中で詳細に調べ、ひとつひとつ
省いてゆき商品のバリューアップを図ることが
商品開発の支援の役割です。
また、人材育成についてですが、マイクロファイナンス
機関を構成する人員の特徴として現場の融資担当者が大多数で
本部のスタッフはごく少数ということが挙げられます。
こういった構造は、しばしば大部分をしめる下部のスタッフの
キャリアアップを困難にさせ、モチベーションを低下させて
しまうことがあります。そのため、彼らの労働意欲を増すような
トレーニングが必要となるのです。
トレーニングの中では
単に知識を植え付けるだけでなく、スタッフの身につけたい
スキルを聞き、すでに習得している知識を補完するような、
あるいは知っているけれどできないことをサポートするような
知識を提供することが重要です。

こういったトレーニングを繰り返し行うことで
人材育成の支援は成り立ちます。
貧しい人々を救うために構想されたマイクロファイナンスですが
このような機関が抱える最大の課題は、社会的パフォーマンスと
財務パフォーマンスをいかに両立し運営していくのかにあります。
正常に経営していくためには、そのどちらが欠けてもいけません。
これまで、マイクロファイナンス機関は商業化を進めることを奨励
してきましたが、このようなビジネス化は、急激な成長下では
弊害を生み出します。
インドのある貧困州では、多くの返済者が借金苦を理由に自殺を
図りました。インド州政府はこの問題を受けて、悪質な債権回収業者に
対する規制、多重債務の禁止等、状況改善を行いましたが、
人々の記憶にマイクロファインナンスに対する間違った悪印象を
植え付ける結果となりました。
マイクロファイナンスの目的は、貧困層から搾取することでは
決してありません。本来なら貧しく経済的に疎外されている人々が
自由に生活できることを目指すものです。しかし機関として
成立させるためには安定的な経営を実現する必要があるため
財務について軽視することはできません。社会的パフォーマンスと
財務パフォーマンスをいかに両立させるのか・・・多くの人が
頭を悩ませ、この課題に取り組んでいます。
いかがでしたか?勉強会で学んだことが、すこしでも伝わりました
でしょうか。ARUNでは毎月こういった勉強会を定期的に行っています。
社会的投資に関心をもたれた方は、ぜひ次回の勉強会に足を運んで
みてください。皆さまにお会いできることを楽しみにしています。

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