カンボジア社会起業家 センホンさん来日特集② 勉強会編

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カンボジア社会起業家 センホンさん来日特集② 勉強会編
先月、投資先のサハクレアセダックから代表のセンホン氏が来日しました。
ARUNブログでは昨日からシリーズでセンホン氏特集をおとどけします。
第2回の今日は、来日を記念して開催された
勉強会について矢島信浩パートナーの報告です。
7月29日(金)19:00-21:00の勉強会は4部構成で実施された。
まず、ARUNの投資活動の概要紹介が行われ、続いてカンボジアの農業や食品産業に
精通したパートナー(出資者)の1人である丸山純一氏から、それらの現状に
ついての報告がなされた。
そして、ARUNの投資先で、カンボジアの農業や農村開発に取り組む現地NGO
からスピン・アウトして設立された、ソーシャル・エンタープライズ(社会的企業)
であるサハクレアセダックのディレクター(代表)のラン・センホン氏本人から、
現地の零細・小規模生産者との連携による農産物の加工、流通、販売等の
現在までの事業展開状況並びに今後の課題・目標が発表された。最後に、
登壇者3名により、投資の実践側と受け手側との双方向での情報交換、理念や
目標の確認・共有という観点から、ディスカッションが行われた。
会場は熱気にあふれ、登壇者の言葉を一言も漏らさずに聞き、その表情や
ジェスチャーまでもすべて見逃すまいと、参加者は皆耳をそばだて、目を凝らし、
真剣にメモを取っていた。まさにその様子は、昨今、日本でも社会的投資に
対する関心と機運が高まりつつあることを、肌で実感することができるもので
あった。
カンボジアの農業を含めた経済発展には、生産段階における灌漑設備の充実や
流通段階における道路網や橋梁の整備など、インフラ関連の課題が数多くある。
しかしながら、これらには莫大な資金が必要であり、われわれARUNの投資案件と
しては、その身の丈を超えたものである。勉強会における一連の報告や発表、
ディスカッションを聞いていて、われわれARUNは、投資先としてのターゲットを
より川上の生産者に絞ったセグメンテーションを明確に行い、現地の零細・小規模
農家の組織化や生産物の高付加価値化等に関するソリューション型の知恵を
付加した形での投資を基本戦略とするのが適切ではないかという印象を受けた。
投資先の代表者であるラン・センホン氏の口からも聞かれた「サハクレア
セダックの永続性を担保するためには、寄付者や投資者からの資金を零細・小規模
農家に単に機械的に資金提供する従来型のモデルではなく、生産物や生産技術、
品質管理に関する情報交換や責任分担を明確にし、相互に改善を目指すことが
重要であり、その共通認識の徹底化に努めていく」という言葉に頼もしさを感じる
とともに、上述のARUNの投資の基本戦略に関する私自身の認識に対する確信を
強めることができた。
現在、ARUNのパートナーは約50名で、その規模の拡大が期待されている。
19:00からの勉強会に出席するためには、オフィスを18:00過ぎに出なくては
ならないことになる。社会的投資の意義を啓蒙することは重要なことであり、
活動の初期段階では不可欠なものである。しかしながら、実際に投資してくれる
人を獲得するには、そういった人たちの参加しやすい曜日や時間帯に勉強会を
するのも一考の価値がありそうである。社会的投資には、その性格上、理念に
共鳴し共通認識を共有できる、まさに「パートナー」たる人の出資参加が大前提と
なり、単に投資資金を多く保有していれば良いというものではない。
このあたりが、「社会的」という言葉を冠にした事業における「公共性」と
「収益性」のデリケートなバランスをとる難しさなのであろう。

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