JICAとの共同プロジェクトが本格始動!担当者は語る

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今年度から2年間、ARUN過去最大規模のカンボジアでの国際協力機構(JICA)
との共同プロジェクトが始まりました。JICAの「BOPビジネス連携促進調査事業」の
一つに採択されたARUNのプロジェクトには、どんな願いが込められているの
でしょうか。アシスタントプロジェクトマネージャーでカンボジアと日本を
行き来する日々の小野真依パートナーに全貌を聞きました。
QまずJICAのBOPビジネス連携促進調査事業とは?
人口減少で高齢化が進む日本企業の多くが成長市場を求めて、
ベース・オブ・ピラミッド(BOP)と呼ばれる発展途上国の人々を対象にビジネス
展開できないか関心を高めています。一方で開発援助の議論においても、
より効果的な貧困削減へのアプローチとしての官民連携に着目が集まっています。
本案件はJICAがBOPビジネスとの連携を促進するため、事前調査を費用面などで
支援する仕組みとして昨年から開始されたものです。
Q約5倍の難関をくぐり抜け採択された20件を見るとBOPビジネスとして有名な
住友化学の蚊帳や三洋電機のソーラーランタンと共にARUNが選ばれたのですね。
選ばれた団体の殆どは大企業で、そうでない事例はARUNの1件のみだった
ようです。ARUNのプロジェクトではBOPビジネスを促進する新しい手法としての
社会的投資の実現可能性を調査します。その事例研究として、単にモノを売るだけ
でなくサプライチェーンそのものについての調査も行います。こうした企画設計も
異質との評価を頂いています。
Qサプライチェーンの調査とは、どんな意味なのでしょうか。
ARUNはBOPビジネスを単に途上国人々を購買対象にしたビジネスと考えるの
ではなくBOPの人たち自身が営むビジネスと広義に考えています。そこでサプライ
チェーン全体を考えてみようということになりました。
Q具体的には、天然ハチミツ事業について調査を始めたそうだが。
ARUNが行う社会的投資がうまくいくためには投資対象事業のバリューアップを
図る必要があります。そのより良い手法を検討するために、地元生産組合による
天然ハチミツ事業を事例に取り上げることにしました。これはARUNだけでできる
作業ではないので、日本・カンボジアの企業やNPOと連携し調査をしています。
例えば春日養蜂場や東亜化成、NPOみつばち百花、現地の環境NPO
であるNTFP-EP、またARUNの主要投資先でもあるサハクレアセダックの協力を
得ています。
Qそれぞれの役割は?
みつばち百花には現存資源量の評価、春日養蜂場にはハチミツの
品質向上や持続可能な採集手法の指導、東亜化成にはハチミツの副産物である蜜蝋を
化粧品や食品に使えないかという付加価値化の可能性、そしてサハクレアセダック
とはカンボジア国内市場でのマーケティング調査を進める予定です。
Q小野さんは既にカンボジアの産地を回っているのですね。
天然のハチミツを扱うため、養蜂と異なり年中採蜜が出来ません。多くの産地で
乾季(春)にハチミツを採ります。これに併せ過去3か月で4つの産地に
足を運びました。多くのハチミツハンターは農家で、副収入としてハチミツ採集を
しています。森で予め目をつけておいた蜂の巣が大きくなると採集し、地元
トレーダーに売って現金化するのです。この方式だとかなり買いたたかれて
しまいますが、全国レベルの生産者組合を強化すればより高く安定した価格で
ハチミツを売ることができます。生産者組合は蜂を殺さない持続可能な採集方法の
普及に努めており森にやさしい天然ハチミツのナショナルブランド形成を
目指しています。
Q現地ではWWFのような環境団体も活動しているそうですね。
各産地で、生産者組合の運営は様々な地元NGOとの連携によって大きく支えられて
います。WWFは、経済土地コンセッションが進むモンドルキリ州で特にエコツーリズ
ム分野の支援を続けられており、天然ハチミツ事業についても豊かな森の持続的活用
による事業を軌道に乗せることでよりプロアクティブな環境保護へのアプローチを
図っています。ただ「開発は駄目だ」と押し付けるのでなく前向きな対案が出せな
ければいけないという考え方には学ぶことが多いです。今月からは社会的投資
そのものの実現可能性調査も本格的に始める予定です。

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