【連載・社会性評価とは】社会的投資、インパクトインベストメントの「成功」の基準とは?

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ARUNは社会的投資(social investment)を行うことを目的に2009年に設立され、設立当時から事業性と社会性の双方を重要視しながら途上国の起業家や社会的企業を投資の形で支援している。

今年の12月で、いよいよ設立5年目に突入し、新たなステージを迎えている。この間、社会的投資、インパクトインベストメントを推進するプレイヤーも増え、志を同じくする仲間達とのネットワークも世界中に広がり、日本国内でも社会的投資への関心の高まりを肌で感じられるようになってきた。

また、平行して「社会的投資の成功とは?」、「社会的って具体的には何を指しているの?」、「事業性(財務)と社会性の両立は本当に可能なのか?」、「モニタリングや評価の基準をどのように設定しているの?」等、たくさんの質問を受けるようになってきた。

このような質問に応えるべく、これから数回に渡ってこのニュースレターで社会性評価についての連載を組み、ARUNの経験を紹介していきたいと思う。

初回となる今回は、社会的投資やインパクトインベストメントの考え方やその背景について簡単に紹介したいと思う。

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社会的投資、インパクトインベストメントの「成功」の基準とは?
〜社会性モニタリング&評価の重要性の高まりを受けて〜

ARUNが設立された当時の2009年は、ちょうど社会的投資やインパクトインベストが急速に拡大し始めた時期と重なる。1990年代に広がった社会的責任投資(SRI)の概念により、環境、雇用、健康・安全、教育、福祉、人権等のさまざまな社会的問題と企業活動の関係性が注目されるようになり、企業が創造する社会的価値に対して積極的に投資を行う動きが見られるようになった。

また、2007年には、イタリアのベルジオセンターで開催されたロックフェラー財団の会議にてインパクトインベストメントという言葉が初めて使用され、その後、開発援助機関、民間ファンド、公的機関、金融機関、社会的企業、社会起業家、NGO等、インパクトインベストメントを推進するプレイヤーがこの数年間に急速に増加している 。*1
このインパクトインベストメントのプレイヤーや投資額が急速に拡大する動きと比例して、投資に対するインパクト、事業の社会性や開発効果の定性的・定量的評価フレームワーク確立の必要性について議論が活発化している。例えば、社会的事業に対して、財務的価値では測れない社会的価値や開発効果を可視化する動きや、異なる社会的事業を横並びで比較評価を行う方法、更に複数の事業がある場合に効率的かつ有効的に優先順位をつけるための評価手法の開発を行う動きなどが存在する。

このような議論が世界中で広がる中、ARUNでも投資家(パートナー)同士で議論を重ね、投資対象事業の社会性についてのモニタリングや評価について取り組んでいる。それは、試行錯誤の連続であるが、海外の主要機関が使用している社会性評価手法について調査・分析しながら、実際にARUNの投資先企業の実態に照らし合わせ、現地でのヒアリングやワークショップを通じて現実的な運用方法について模索しながら、常に改訂を行っている。

さて、その社会性モニタリングおよび評価手法であるが、実は世界には相当数存在する。JPモルガンとGIINによるインパクトインベストメントに関するグローバル調査 の結果によると、96%の投資家が何らかの評価手法を活用しているとされており、社会的投資やインパクトインベストメントとそのモニタリング・評価手法は密接に関連しているのである。

具体的にどのような社会性評価手法があるのか、またそれらの目的や分類については、次回紹介する。

The Rockefeller Foundation (2012). “Accelerating Impact: Achievements, Challenges and What’s Next in Building the Impact Investment Industry”.

【参考】
ARUNでは、投資事業における社会性評価の考え方や、社会的投資の世界の潮流についての調査研究結果について、ソーシャルインベストメント国際シンポジウムの場で発表してきました。詳細はこちらからご覧いただけます。
第1回国際シンポジウム報告書
第2回国際シンポジウムプログラム

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