「第2回ソーシャル・インベストメント国際シンポジウム」の報告と感想

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※第2回ソーシャル・インベストメント国際シンポジウムのレポートを、ARUNパートナーの鈴木千枝さんにいただきました。あわせてパートナーズエッセー(「パネル討論と金融史考察で見えた突飛なARUNビジネルモデル 小笹俊一」)もご覧ください。

2013年10月12日(土)-13日(日)、日本財団ビルにて「第2回ソーシャル・インベストメント国際シンポジウム」が開催されました。オーディエンスとして参加した一日目の報告と感想をお伝えしたいと思います。

シンポジウム一日目は、海外からのゲストによる講演・報告と、社会的起業家を支える国際的なエコシステムについてのパネルディスカッションが行われました。

まずはARUNの投資先の一社であるArjuni社(カンボジア)の代表、Janice Wilson氏のチャーミングな笑顔あふれる基調講演からスタートです。自身の生い立ちから、カンボジアで起業するにあたって乗り越えてきた数々の困難(現地でのコミュニケーションや事業ノウハウ、資金調達など)を時にユーモアを交えて紹介し、社会的起業家の生の声を伝えてくれました。なにより現地の女性たちと同じ目線で事業に取り組んできた自信と、周りを次々と巻き込んできた情熱溢れる語り口で、シンポジウムの幕開けにふさわしい魅力的なスピーチだったと思います。また、「単に良いことだからということだけでなく、まず事業として持続でき、その事業のコアとなるものの中に社会的インパクトをもたらすものがあるから行っている」という経営者として地に足のついたスタンスと責任感が印象的でした。

次に各参加団体からの報告です。社会起業家の育成に注力するPS Business School(ミャンマー)、マイクロファイナンスの老舗Oikocredit(オランダ、フィリピン)、独自の社会的指標を用いた投資を行うCaspian Advisors(インド)、投資を取り巻く環境作りにも力を入れているIntellecap(インド)、そして私たちARUN(日本)といった、社会的起業家と彼/彼女らを取り巻くさまざまな立場のスピーカーから、それぞれの現場での取り組みを伝える熱のこもった発表がなされました。各組織の特徴と併せて現在アジアで起きている社会的投資のトレンドがよくわかるプレゼンテーションだったと思います。

最後にこれまでの登壇者にARUN代表の功能が加わり、今後社会的起業家を支えてゆくエコシステムをいかに構築してゆくか、というテーマでパネルディスカッションが行われました。前半の報告をもとに活発な議論が行われ、フロアからもファンド組成や社会的投資によるリターンの考え方などについて熱心で具体的な質問がなされ、盛況のうちに一日目が終了しました。

今回のシンポジウムに参加して改めて感じたことは、社会的投資という新たな分野を切り開いてゆくためには、世界各地での実践的な取り組みを共有し、地域を越えて連携してゆくことが不可欠だということです。途上国であれ先進国であれ社会的な問題を解決するという需要と姿勢は変わらないと思うからです。例えば、Oikocreditの財務的リターンだけでなく、社会的リターンを生み出してきた投融資のノウハウ、Caspian Advisorの事業計画策定から取締役派遣まで行う手厚いハンズオンの姿勢、社会的起業家とエンジェル投資家のネットワークを構築することで資金調達に新たな切り口をもたらしたIntellecapの取り組みなど、ファイナンスの手法や環境は違っても参考にできる点は多いのではないかと感じました。

一日目終了後の懇親会では、オーガニックフードやオーガニックビールを楽しみながら、登壇者・オーディエンスの枠を越えた議論の輪がいくつもできていました。和やかな中にも興奮冷めやらぬといった雰囲気で、まさにこういった自由に意見交換できる場づくりが社会的投資という分野の地平を広げ、ここでの議論を各自が自分の持ち場に持ち帰り実践につなげてゆくことで社会的起業家を支えるエコシステムの最初の一歩が踏み出せるのではないかと思いました。

また来年、さらにパワーアップした第3回国際シンポジウムでお会いできるのを楽しみにしています!

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