パートナーズエッセー CSRを飲み込み始めた資本主義時代のボトルネック

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今回はS.Oさんからみなさまへパートナーズエッセーをお送りします。

サーベラスと西武のやりとりを見ていて、スチールとサッポロのやりとりを思いだしている人は少なくないはずだ。どっちが正しいということはできないのだが、スチール時代よりも株主をサポートする意見は減っている気がするのは私だけだろうか。リーマンショックも経験したし、格差社会も実感している。やっぱり株主利益って、そこまで重視しなくていいんじゃないかという意見が増えているのだろう。

正しいのか正しくないのかは歴史の判断を待たねばならないけども、せっかく良い流れが生まれてきたアベノミクスを応援しようと給料やボーナスを増やす会社も出てきた。これも株主偏重主義の是正と見ることもできる。そもそも資本コストという概念が本当に正しいのかどうか、北野一さんクラスの人たちが疑問視するようになってきたことは、10年位前と比べると隔世の感がある。単に私がぶれていただけかもしれないが。

これすなわち資本主義全体が社会的投資の方向に舵を切り始めている証左だと私は思う。もちろん、これだけお金を世界中で刷っているわけだから実態とかい離したバブルがどこかでまた発生し、誰かがババをひくことになるのだが、本流のところは確実に社会的投資にシフトしていることを感じさせる。あのトヨタがいよいよ社外取締役を受け入れ資生堂が動物実験をやめるというのだから。前回、編集後記に書かせてもらったトヨタのアクアソーシャルフェスが訴える「共成長マーケティング」が主流になっていく流れは少なくとも先進国ではとまらないのではないか。

と、社会や事業会社がARUNが訴えてきた方向に変わろうとしている今、社会変革の次のボトルネックは投資家だろう。ここだけがまだ元本確保というドグマに支配されている割には上昇相場にはのっかろうとするので、資本主義をよく理解しないままババをひく危険性が増してきた。資本が分散すると経営が面倒くさくなるのでなかなか乗り気になれないのだろうけど、せめて上場企業であれば、今回の給与、ボーナス上昇分は現物株で配る方が日本人のエクイティーカルチャーへの理解度は高まったはずだ。高野さんが前回書いてくれたインドでの労働者と株主の一致というテーマは、インドだけでなく日本でも議論が必要なテーマだが殆ど無視されている。日本の労働者が資本家を自覚するとき、社会的投資はボリューム感を持って次のフェイズに到達するのかもしれない。

 

 

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