ARUN設立3周年シンポジウムを終えて

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ARUNLABメンバーの高野です。本日は7日木曜日に開催されたARUN設立3周年シンポジウムについて紹介します。

ARUNのこれまでとこれから
シンポジウムの第一部ではARUN代表の功能さん、ディレクターの津崎さんと土谷さんからARUNのこれまでとこれからについてお話しいただきました。功能さんからはARUN設立から今日までを、功能さん自身のストーリーを織り交ぜての紹介です。津崎さんと土谷さんからはARUNの投資の状況と国際的なネットワーキングについてのお話がありました。
今回のシンポジウムではじめて紹介された内容としては、来月以降に設立を予定しているARUNⅡとARUN SEED FUNDについてのお話がありました。新たにNPO法人としてARUN SEED FUNDを立ち上げ、これまで合同会社としてパートナーから投資を集めていた箱に加えて、広く寄付や財団からの助成金を受け入れる箱を作ることでARUNとしてのファンドの規模をさらに大きくしていくのが狙いです。世界に目を向けても社会的投資機関には様々なタイプが存在しています。寄付や援助の代替としての社会的投資を掲げる機関もあれば、ベンチャーキャピタル的な営利性を追求する機関もあります。ARUNⅡへのフェーズの移行は前者のタイプに近いと言えるのではないでしょうか。
3周年を迎えられたARUN、なんだか感慨深いものがありました。フェーズ2に移行していくとのことで、これからの発展からも目が離せません。一方で、第二部、第三部ではその期待の裏返しとも言える、かなり核心をついた議論が行われました…

米倉先生と岩瀬さんとのパネルディスカッション:社会的投資の次なるフェーズに向けて
第二部ではゲストスピーカーのプレトリア大学GIBS日本研究センター所長の米倉誠一郎さんと、ARUNのパートナーでもあるライフネット生命株式会社取締役副社長の岩瀬大輔さんからのプレゼンテーションではじまりました。米倉先生からはなぜ今ソーシャルイノベーションや社会的投資が必要なのかについて、世界の財政赤字の現状、イノベーションの歴史的な側面などからお話しいただきました。また、岩瀬さんからはご自身のハーバードでのご経験から今なぜビジネスマンが社会的課題の解決に携わらなくてはいけないか、岩瀬さんご自身が支援されている団体のご紹介、そしてなぜARUNを支援しているかなどのお話をいただきました。お二人のお話はとても刺激的で面白かったです!
第三部では、ゲストスピーカーの米倉先生と岩瀬さん、ARUNディレクターの功能さん、津崎さん、土谷さんによるパネルディスカッションが行われました。このパネルディスカッションが「社会的投資」の議論の核心をついており、ARUNのこれからを考える上でとても面白かったです。
米倉先生と岩瀬さんは共通して、社会的投資は寄付ではない、経済的リターンを生み出しながら持続可能なモデルを創っていかないといけないという厳しいご意見を率直に突き付けて下さいました。(議事録やブログの内容では非常に厳しいパネルディスカッションのように読めますが、実施際の場の空気は非常にオープンで和やかでした!)一口に「社会的投資」といっても、前述したように様々なタイプが存在しています。寄付や援助から発展した社会的投資、しかしバリバリの金融マンから見たらそれはただのダンピングではないか、という見方も出てきます。一方で、途上国開発の現場からは通常の市場金利では担保もない起業家にお金を貸すことは難しい、いわゆる「ミッシングミドル」という問題が存在しているということも事実です。こうした多様性の中で、ARUNはとても「優しすぎる」というのが米倉さんと岩瀬さんのご指摘のようでした。経済的なリターンを生み出す持続可能なモデルにすることはそんなに甘くはないぞ、と。

功能さんいわく、ARUNのメンバーはこうした議論は毎週のように行っているそうです。そう、まだ答えが出ていないテーマなのです。それはARUNだけでなく、世界の社会的投資機関といわれる機関もそうなのかもしれません。こうした厳しい言葉を投げかけるゲストを敢えてこの3周年の節目に招いたのは、この未完成な状況をオープンにすることで、より多くの人達を巻き込んでいきたいというARUNのメンバーの決意なのかもしれません。
これは個人的な感想ですが、こうして米倉さんや岩瀬さんのようにビジネスの世界の前線にいらっしゃる方が社会的投資の議論に加わることそれ自体に意味を感じています。バリバリの利益志向の投資家と金融機関、社会的な意義を追求する寄付や援助、これまで二極化されていたものの間に大きなグレーゾーンが存在し、そこに新しい市場がうまれつつあるように思います。そのグレーゾーンに先駆けて飛び込み、新しい市場を開拓しようとしているのがARUNなのかもしれません。今後も是非応援させていただきたいと思っています!

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