他では読めないインド・ソーシャルビジネスインターン記 その2

INDIA3

ARUN(アルン)新年企画として、1月から3回シリーズで、 ARUN LABの高野誠大さんのインド報告をお伝えします。 他では読めないインドのソーシャル・ビジネス最前線です。 どうぞ。(バックナンバー:インドソーシャルビジネス最前線 ドリシテ、インターン記 その1

前回に引き続き、私がインドの社会的企業ドリシテで学んだことを 紹介したいと思います。今回はドリシテが持つ「ハイブリッドモデル」と 呼ばれる組織構造についてです。
ドリシテはドリシテ・ディベロップメント・コミュニケーション・リミッテド (DDCL)という営利企業と、ドリシテ財団というNGO部門を持っています。 前回の記事で紹介した、農村地域でのICTキオスクのマイクロフランチャイズや 流通事業はDDCLが担当しています。一方、ドリシテ財団は農村でのビジネスの 基盤を作るためのコミュニティ活動を担当します。では農村でのビジネスの基盤、 そのためのコミュニティ活動とは一体何なのでしょうか?
まず挙げられるのは、農村コミュニティのメンバーとの信頼関係の構築です。 ドリシテでは自分達がその社会に受け入れられることをとても大切にしており、 これをビジネスの社会的持続可能性と考えています。住民との絶え間ない対話や クリケットの試合など、人々との間に有機的なつながりをつくることへの投資を 惜しみません。また、そのコミュニティでドリシテのビジネスを担う最も適した 人材を発見して起業家として育成することも重要です。起業家精神が旺盛で コミュニティの中での信頼が厚い人材を探しだし、彼にドリシテのフランチャイズ として働くためのスキルを身につけさせるのです。最後に、新しい価値に対しての 普及啓発活動があげられます。農村地域でのビジネスでは、新しい製品が自分達の 生活をどう変えてくれるのかという気付きを与えることがとても重要です。
しかしそのための広告手段は先進国のそれに比べればやはり劣ってしまいます。 ドリシテではこれらの普及啓発活動を社会的マーケティングとして行い、人々が 新しい製品の価値を認識し消費行動に変化を起こすプロセスへの投資も行っています。
ドリシテでは、こうした農村でのコミュニティ活動をドリシテ財団が担当し、 DDCLの営利事業の基盤を作っています。営利企業でありながら、NGO 部門を通じてコミュニティの発展への投資を続ける、これがドリシテの ハイブリッドモデルです。そしてこのNGOとしての活動が、農村地域での 営利事業の拡大に際してとても重要な役割を担っているのです。
実はこのモデルはARUN(アルン)の投資先のセダックにも共通して見られるものです。 ARUNが投資しているセダックも、NGOであるセダックが営利部門の サハクレハ・セダックを立ち上げ、農家が市場とつながるための架け橋を 築いています。
ドリシテはその逆で、営利企業として始まり、農村での営利事業の拡大のために NGO部門を立ち上げました。 今回はドリシテのハイブリッドモデルについて取り上げました。
次号が最終回となってしまいます、とても残念です。 最後は、ドリシテが目指す「農家に所有される企業」という姿を ARUNが行う社会的投資という文脈と関連付けて紹介したいと思います

2017年9月
« 8月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

follow us in feedly