AVPN ( Asia Venture Philanthropy Network )レポート

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4 月 21 – 22 日に、シンガポールで開催された
AVPN ( Asia Venture Philanthropy Network )の年次会合にバンコクから参加してきました。
私は今 ARUN で作成中の 2014 年インパクト・レポートのカンボジア事業の
社会性評価執筆を担当させていただいている関係で、
功能さんとインパクト・レポートの現状報告ができれば、ということで参加申し込みしました。

結果的にその枠は逃したものの、直接いろいろな人に会い、
話をすることでアジア域内でのインパクト投資の動きについて知る機会となりました。

会場は、シンガポール国立大学のキャンパスで、今回の参加者は約 700 名。
さまざまな角度からディスカッションが行なわれ、アジアにおけるソーシャル・ビジネスの広がりと
それを支えるための環境(エコ・システム)作りが着々と進められていることを感じました。

プログラムは AVPN のウェブサイトでご覧いただけますが、
以下、私の参加した主なセッションの様子と感想です。

ソーシャル・ビジネスのピッチでは、自閉症児のためのハグ機能がついたベストを作っている T-ware、
インド南部の貧困層の女性による伝統工芸のチカ刺繍を使った衣料品の販売をする Thread Craft 、
同じくインドのムンバイで廃棄物処理に取り組む Sampurn(e)arth などがプレゼンテーションを行いました。

社会性とイノベーティブな側面が前面にアピールされており、
ベンチャー・フィランソロピストへのピッチを新鮮に感じるとともに、
それぞれが取り組む社会課題の多様性がアジアの多様性をそのまま映し出しているなあと感じました。

東アジア系のグループは複数の元気な若者がやっているのに対し、
西アジア系のグループは、代表者が単独でプレゼン、
というパターンが多いのは、スタッフの経済的余裕が理由なのか、組織文化の違いなのか、と思ったりも。
その後、偉大な(?)フィランソロピストに学ぶ社会的な投資という全体セッションでは、
ロックフェラー財団のアドバイザー、Hyundai の 3 代目である Root Impact CEO、
UOB の三代目である Asia Philanthropy Circle の代表者が登壇。

破壊的なイノベーションと持続的なイノベーションのバランスが拮抗しながら
世代を超えて各々の環境に適応してきた話を共有してくれました。

先代がビジネスに大成功を収める過程に何らか常識を逸脱した、
まさに破壊的なアイデアを実現したことが結果的にポジティブに受け入れられるようになった、
という共通点が、ベンチャー・フィランソロピーや社会的投資にもあてはまる、というコンセプトでした。

フロンティアを切り開くとはまさに破壊的な前進。
ARUN もある意味では破壊的なのかもしれません。
継続することによって日本の社会・経済活動に組み込まれていってほしいですね。

また 2 日目には、私が関心を持っていたインパクト評価のセッションがありました。

アメリカの Epic Foundation はフィランソロピストのためのモニタリング・ツールの紹介、
ミャンマーを活動拠点とする Partnership for Change はドナーへの
レポーティングに対する問題意識の共有、などがありました。

主に非営利組織のインパクト評価の枠組みが紹介され、
私が期待していたような評価手法とか指標設定といった具体的な議論にはいたりませんでしたが、
評価プロセスや評価結果ををいかに投資先組織の運営とキャパシティ向上につなげていくか、
という点は、ARUN のインパクト評価にも通じる課題でした。

また、エビデンスと主観性に基づくその解釈なども議論され、
どこも投資家・ドナーとのコミュニケーションを通じて評価手法の改善を図っているようでした。

休憩時間中のネットワーキングも活発に行なわれ、
ARUN の投資活動に関心を持ってくださる方や、
インパクト評価の専門家などいろいろな人と話し、
普段バンコクでなかなか直接こういった話をする機会が無い私にとっては、興味深い 2 日間でした。

AVPN は皆さんご存知の通り、基本的にはフィランソロピストのネットワークですが、
今年は「インベストメント」という言葉がより聞かれる様になったとのこと。
G8のソーシャル・インパクト・インベストメント・タスクフォースが
進められていることも背景にあるのでしょう。
そして、ARUN が日経ソーシャル・イニシアティブの国際賞を受賞したニュースも入ってきました。

今後、日本国内でももっとソーシャル・インベストメントへの関心が高まり、
アジアで頑張っている社会起業家の方々を、投資と言う形を通じて応援し続けていきたいと思います。

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