【スタディツアーレポート】ARUNインドスタディーツアー(Part2)

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4月8日(水)

 

(実質的な意味での)インド初日。この日、Sankalp自体はPre Session中なのでディナーのみの参加とし、潜在的投資先への訪問に費やしました。功能さんはAuraに会うため別路に発ったため、Timol、國井さんとJanta Meals(http://www.jantameals.in/)に向かいました。

 

Janta Mealsはグルガオンという、Microsoft等の多国籍企業が拠点を構える都市の近郊に展開しており、IT都市グルガオンとの「発展するインド」との顔と、とはいえJanta Mealsがサービスを提供する「低収入層が多いインド」とのコントラストが興味深かったです。

 

見学させて貰ったJanta MealsのOutletが近いGuru DronacharyaまではMetroのYellow Lineで辿り着きましたが、デリーの中心地であるConnaught Placeからは約1時間で、電車自体は「新しさ」や「性能」といった観点で日本の地下鉄とほぼ変わりませんでしたが、かなり混雑しており、「人口が多いインド」を見せつけられることとなりました。

 

Janta Meals訪問後、功能さんとInvite Onlyのディナーに出かけました。実質的にSankalpのスタートを飾るイベント。まずは功能さんが挨拶をするIntellecapの面々の数の多さと多様性に驚かされました。

 

インド人中心ではありますが、何らかしらの形で欧米の大学や企業を経由していることが多いです。カルチャーとしては、コンサルティングファームや投資銀行といったプロフェッショナルファームに近いイメージがありました。実際そういった(既に大企業になっている)企業から飛び出てIntellecapにJoinすることは前述の通りCoolなのかもしれない。多少強引に日本の会社に例えると、コンサルや投資銀行出身者が作ったブティックファームであるGCAや経営共創基盤といった所だと思います。

 

ディナーではBASIX GroupのCEOであり、ChairmanであるVijay Mahajanを讃えるビデオが流されました。「長老」と言える存在感であり、彼がインドの社会的投資のスペースにおけるパイオニアなのでしょう。そのVijayを積極的に讃えようとするIntellecapの共同創始者であるVineetでありIntellecapのスタンスは、インドに社会的投資の「生態系」を作りたいとの意識が強くあるように思われました。

 

その後、フリーでのネットワーキングの時間が設けられましたが、日本人は我々とJICAだけであり、確かに日本人の存在感は薄いと感じられました。一方で、その他の諸外国の存在感もさほど高いとは言えず、ある意味現在の状況はチャンスとも言えるでしょう。

 

ディナーの「お土産」として、様々な社会的企業の製品が配布されました。その社会的企業の方々とも一部交流することが出来ましたが、特にLet’s recycle(http://www.letsrecycle.in/)との呼称サービスを展開するNepra Resource Management Pvt LtdのCEOであるSandeep Patelとは意気投合して、後日Sankalp内で彼らのサービスの説明を受けることになりました。

 

 

4月9日(木)
インド2日目。前日のディナーはPreのイベントであることを考えると実質的なSankalpの開始はこの日の午前9時半から始まるInaugural Session(開会の辞といったようなもの)である”Lighting the Lamp”でした。

 

IntellecapのChairmanであるVineetのOpening Addressの後、様々なスピーカーがプレゼンテーションをするわけですが、中でも大臣級が2名出席していた点と在インド米国大使(Richard R. Verma)が参加していたことは印象的でした。在インド米国大使はインドのModi首相と米国のオバマ大統領がともに権力者階級出身ではないことを引き合いに出して、両国の「絆」をアピールしている点が興味深かったです。このような国際会議に在インド大使を派遣する当たり、米国の「したたかさ」を思い知りました(勿論Intellecap側からの働きかけも有ったろうが)。

 

その後、”How to Train Your Dragon: Innovations for the Next Billion”との、イノベーションのドライバーが何かを議論するパネルディスカッションなど興味深いセッションが続きました。これはSankalp全体について言えることですが、一つのセッションは資料に基づいて淡々と発表者が発表するというより、モデレーターがスピーカーから議論の種を引き出してスピーカー同士とモデレーターで議論するといったパネルディスカッション形式が多く見られました。

 

また、単なるPanel Discussionだけではなく、企業家と投資家が二手に分かれて議論するというセッションの形式もありました。”Dispersing the Seeds of Technology Innovation”というセッションがその形式でしたが、非常に興味深かったです。

 

まず驚くべきは投資家サイドより企業家サイドの人数が多いことでした。そして、議論の「熱」という意味でも、企業サイドは非常に活気がありました。興味深い点は、どの国でも企業家と投資家が抱える問題は一定の共通性が有ると感じた点でした。企業家サイドの典型的な投資家への批判は「すぐにFinancial modelを出せというが出せるわけがないし、意味が無い」との批判でした。

 

一方、投資家サイドの典型的な不満は「アントレプレナーは実行力が乏しいことが多く、いつもサポートが必要だ」との意見でした。こういった悩みは古今東西、企業家と投資家が存在する限り、変わらないのでしょう。

 

余談ですが、ランチの開始時間が遅いことがインドの特徴です。14時半からNetworking Lunchが始まる。その前後から企業家とすれ違っては、名刺交換をしてどのような事業を展開しているのか、どのような投資を期待しているのかを議論することになりました。ランチの内容は(私の眼には)典型的なインド料理に見えました。そんなランチを立食で頬張りながら、将来の協業の可能性を模索するわけです。

 

ランチの後も、当然ながら様々なセッションが有るわけですが、私を含む何人かのARUNメンバーはSankalp Global Enterprise Showcase & Awards Ceremonyに出席。Awardsについては、今回は700以上のインド及びアフリカの企業から一旦23の企業に絞り込まれ、最終的には14社程度のFinalistから幾つかの受賞者が発表されました。
Evaluation Criteriaにさほど目新しさはなかったが、Entrepreneur and Teamが30%、Business Modelが30%(内、Sustainabilityが10%、Scalabilityが10%、Differentiatorsが10%)、Breadth and Depth of Social Impactが30%、Effectiveness of Slides and Presentation Styleが10%、とのことだった。

 

最終的な受賞者は以下の通りです。

 

Sankalp – Artha Grand Prize Winner 2015: The Better India (recipient of $40,000)
Sankalp Awards 1st Runner Up: Drinkwell Systems (recipient of $10,000)
Sankalp Awards 2nd Runner Up: Swami Samarth (recipient of $10,000)
Sankalp People’s Choice Award in partnership with Ketto: Janta Meals
Sankalp – Alliance Technical Assistance Grant: Bio Lite (recipient of grant of $10,000)

 

このようなAwardは企業家や社会企業自体を権威付けることで、Awardを受賞した企業は既に一定のスクリーニングが済んでいることを意味し、投資家にとっては投資意欲を増大させる効果が有り、社会的企業家からすればそれを獲得することが更なるサポートを受けやすくするという意味で、投資家と企業家双方にメリットがあるように設計されていました。

 

ひるがえって、SankalpでありIntellecapを権威付けることとなり、非常に上手な仕組みであるとともに、一定の自信が無い限り出来ない仕掛けでもあるため、相当のコストをかけて制度設計していることが見て取れました。

 

その後Intellecapの面々等と、別途の会場にてNetworkingを兼ねたディナーを取って、長い一日を終えました。

<続く>

 

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